KAZU HAIR JOURNAL

初めてご来店いただいた70代のお客様から、そう伺いました。
カラーの後に皮膚が赤くなったと聞くと、ジアミンによるアレルギーを思い浮かべることがあります。一方で、カラー剤に含まれる成分や過酸化水素による刺激、施術時の皮膚の状態など、別の可能性も考えられます。
ただ、美容師が見ただけで原因を診断することはできません。
初回来店の時点では判断できなかったため、僕はすぐに香草カラーを使わず、まずはヘアマニキュアを選びました。
今回は、初回にヘアマニキュアを行い、事前の確認を経て、2回目に香草カラーをさせていただいた経緯についてお話しします。
初回来店時に見えた、明るくなりすぎた髪
初めて髪を見せていただいたとき、髪全体がかなり明るくなっていました。お客様ご本人は、ここまで明るい髪にしたかったわけではありませんでした。
最初に髪を見たときには、一般的なハイライトで見られるような筋がはっきり残っていなかったため、僕も白髪ぼかしを繰り返していたとは判断できませんでした。
その後、お話を聞いていく中で、他店で月に一度、ブリーチを使った白髪ぼかしを続けていたことが分かりました。

白髪ぼかしという名前が同じでも、施術方法や明るさ、ブリーチを使用する範囲は美容室によって異なります。白髪ぼかしそのものが悪いという話ではありません。
ただ、今回のお客様の場合は、毎月の施術が積み重なり、ご本人が希望していた以上に髪全体が明るくなっていたと考えられました。
芯のある髪が、ふわふわしてまとまりにくい状態に
お客様の髪は、本来、一本一本に芯を感じるしっかりした髪です。ところが、ご来店時には全体がふわふわして、収まりにくくなっていました。
さらに、毛量をかなり減らされていて、毛先の厚みがほとんど残っていないように見える部分もありました。
収まりにくくなった理由を、一つだけに決めることはできません。僕は、
- ブリーチを繰り返してきた施術履歴
- 毛先が軽くなりすぎていたこと
- 髪全体の明るさと乾燥状態
などが重なっていた可能性を考えました。
毛先の髪そのものが少なくなっている部分は、トリートメントだけで元の厚みに戻せるものではありません。まずは今ある髪をできるだけ大切に扱いながら、カットとカラーを重ね、少しずつ毛先を育て直していく必要があると感じました。
初回はBコースで、ヘアマニキュアを選びました
初回は、Bコースで施術しました。Bコースは、
を組み合わせたコースです。
本来の髪にある芯を生かし、髪を少しずつ扱いやすくしていくことを考えると、僕としては香草カラーも選択肢に入れたいと思っていました。
ただし、今回検討した香草カラーは、ジアミンを含まないカラーではありません。使用を考えていた「ランドプランニング 香草カラーGREY(水溶き)ライトブラウン」は、しっかり白髪を染めるための酸化染料を含む香草カラーです。
香草という名前が付いていても、ジアミンアレルギーの心配がないカラーとは言えません。
メーカーも、香草カラーGREYには酸化染料が使用されており、施術前のパッチテストが必要だと案内しています。
(参考:日本ヘアカラー工業会「パッチテストについて」)
そのため、カラー後に顔まわりが赤くなった経験があるお客様へ、初回から使用することは避けました。皮膚への心配を優先し、まずはヘアマニキュアで白髪を染めました。

髪を整えるために、香草カラーを試せる可能性も考えました
初回はヘアマニキュアを選びましたが、僕の中には、
という考えも残っていました。
お客様の髪は、もともと芯のある髪です。これ以上明るくすることよりも、白髪を染めながら、髪のハリや収まりを整えていくことを優先したい。その目的には、香草カラーも一つの選択肢になるのではないかと考えました。
もちろん、これは美容師側の希望だけで決めることではありません。
カラー後の赤みについて分かっていることと、まだ分からないこと。今回検討している香草カラーにもジアミンが配合されていること。事前の確認をしても、今後の反応まで保証できるものではないこと。
そうしたことをお伝えしたうえで、お客様にもご理解いただき、実際の施術で使用する予定の香草カラーで事前確認を行うことになりました。
実際に使用するライトブラウンで事前確認
事前確認には、実際に使用する予定だった「香草カラーGREY(水溶き)ライトブラウン」を使用しました。

お客様には、塗布部分の色だけではなく、
- 赤くなっていないか
- かゆみが出ていないか
- 皮膚が荒れていないか
などを確認していただきました。
48時間後までに異常を感じなかったと伺ったため、2回目のご来店時に、香草カラーを行うことにしました。
ただし、事前確認で異常がなかったことは、「ジアミンアレルギーではない」という診断にはなりません。また、今回使用できたからといって、今後も必ず反応が起きないという保証でもありません。
皮膚の反応は、体調や時期によって変わる可能性があります。香草カラーについても、メーカーは毎回のパッチテストが必要だと案内しています。似た症状が再び出た場合は施術を中止し、皮膚科へ相談していただくことが必要だと考えています。
2回目はDコースで香草カラーを
2026年8月18日、2回目のご来店ではDコースを選びました。Dコースは、
を組み合わせたコースです。
今回は香草カラーの後に、
- 調整トリートメントを5分
- クロノジェルを10分
行いました。クロノジェルは、頭皮改善ヘッドスパと同時に行っています。

僕が確認したかったのは、白髪が染まるかどうかだけではありません。
そうした部分を見ながら施術しました。
ハリ・コシ、収まり、艶に変化が見られました
施術後の髪には、以前よりハリ・コシを感じました。ふわふわしていた髪も収まりやすくなり、艶も見えやすくなりました。
お客様にもその変化を喜んでいただき、髪色についても、
というお話がありました。ご本人が望んでいなかった明るさから、以前の髪色に近い落ち着いた印象になったことも、喜んでいただけた理由の一つだったと思います。

今回は、乾かしただけの状態と、最終仕上げ後の両方を画像と動画に残しています。ただし、最終仕上げだけを見て判断するのではなく、乾かした段階で髪がどのように収まっているかも大切にしています。
香草カラー1回で、髪が元に戻ったわけではありません
今回、香草カラーを一度行ったことで、髪がしっかりしたように見え、収まりや艶にも変化がありました。
ただ、
ということではありません。軽くなりすぎた毛先の量が、一度の施術で増えることもありません。
今回の変化には、
- お客様の髪が本来持っていた芯
- 香草カラー
- 調整トリートメント
- クロノジェル
- カットによる形の調整
など、複数の要素が関係している可能性があります。その中の何が、どの程度影響したのかは、まだ分かりません。
今は、
という段階です。
本当の確認は、1か月後です
お客様は白髪の割合が多いため、次回は約1か月後のご来店を予定されています。そのときに確認したいのは、
- 施術当日や翌日以降に、顔まわりの赤みやかゆみが出なかったか
- 自宅で乾かしたときにも収まりやすかったか
- ハリやコシはどのくらい続いたか
- 色がどのように抜けたか
- 毛先に硬さや乾燥が出ていないか
- 頭皮の状態に変化がなかったか
という部分です。
施術直後に綺麗になったから、今回の選択がすべて正しかったとは、まだ言えません。1か月後の髪と頭皮を見て、お客様のお話を聞き、同じ方法を続けるのか、時間や組み合わせを調整するのかを考えます。
「染められるか」だけでカラーを決めない
今回、初回にヘアマニキュアを選び、2回目に香草カラーを行いました。これは、ヘアマニキュアより香草カラーの方が優れている、という話ではありません。
当サロン(KAZU Hair Atelier & Reborn)では、
- 高濃度美容液カラー
- 香草カラー
- ヘアマニキュア
の中から、髪の状態、頭皮や皮膚への心配、希望する明るさ、これから目指したい髪に合わせて考えています。
今回は、カラー後の赤みについて原因が分からなかったため、初回はヘアマニキュアを選びました。そのうえで、お客様と相談し、事前の確認を経て、2回目に香草カラーを試しました。
すぐに答えを決めるのではなく、
「今の髪には何が必要なのだろう」
「どこまでなら試せるのだろう」
と一つずつ考える。そして、施術して終わりではなく、次に来られたときの髪と頭皮を確認する。
今回のお客様とも、その繰り返しを大切にしながら、白髪を染めることと、これからの髪を綺麗に保つことを一緒に考えていきたいと思っています。
よくあるご質問
Q. なぜ初回はヘアマニキュアを選んだのですか?
カラー翌日に顔まわりが赤くなったことがあるとのお話でしたが、原因がジアミンによるアレルギーなのか、過酸化水素などの刺激によるものかは、美容師が見ただけでは判断できません。皮膚への負担を優先し、初回はジアミンを含まないヘアマニキュアを選びました。
Q. 香草カラーはジアミンを含まないカラーですか?
いいえ。今回使用した「香草カラーGREY(水溶き)」は、しっかり白髪を染めるための酸化染料(ジアミン)を含むカラーです。「香草」という名前がついていても、ジアミンアレルギーの心配がないカラーとは言えません。メーカーも施術前のパッチテストを案内しています。
Q. 事前確認(パッチテスト)をすれば、今後も安全に使えますか?
事前確認で異常がなかったことは、「ジアミンアレルギーではない」という診断にはなりません。皮膚の反応は体調や時期によって変わる可能性があるため、今後も毎回のパッチテストが必要です。似た症状が出た場合は施術を中止し、皮膚科への相談が必要だと考えています。過去にヘアカラーによるアレルギーと診断された方や、強い腫れ・かゆみなどを経験した方については、酸化染毛剤を使用せず、事前に医療機関へ相談していただく必要があります。
Q. 香草カラーを1回行えば、ブリーチで傷んだ髪は元に戻りますか?
元に戻るとは言えません。今回はハリ・コシや収まり、艶に変化が見られましたが、髪が本来持っていた芯、調整トリートメント、クロノジェル、カットによる形の調整など、複数の要素が重なった可能性があります。軽くなりすぎた毛先の量も、一度の施術では増えません。
Q. ヘアマニキュアと香草カラー、どちらが良いカラーですか?
どちらが優れているという話ではありません。髪の状態、頭皮や皮膚への心配、希望する明るさ、これから目指したい髪によって、高濃度美容液カラー・香草カラー・ヘアマニキュアの中から適した方法を考えています。
Q. 今回の施術が合っていたかは、いつ分かりますか?
施術直後の仕上がりだけでは判断しません。次回は約1か月後のご来店を予定しており、顔まわりの赤みやかゆみの有無、収まりやすさ、ハリ・コシの持続、色の抜け方、頭皮の状態などを確認したうえで考えます。
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