KAZU Hair Journal
「髪質改善をしていました」
初めて来られるお客様から、最近この言葉を聞くことが本当に増えました。
髪を綺麗にしたくて、トリートメントを続けていた。
定期的に美容室にも通っていた。
でも、実際に髪を見てみると、
切れ毛が多い。
パサついている。
毛先が薄くなっている。
2025年頃から、初めて来られるお客様の中で、抜け毛を気にされている方が増えたように感じています。
シャンプーやカラー、トリートメントをしていると、クシやハケにつく髪の量に、僕自身が驚くことも何度かありました。
ただ、その髪が根元から抜けたものなのか、途中で切れたものなのかまで、その場ですべて判断できるわけではありません。
そのとき、僕が思ったのは、
なんで?
でした。
髪を綺麗にしたくて、トリートメントをしている。
髪質改善もしている。
それなのに、なんで、こんなに髪が落ちたり、切れ毛が多かったりするんやろう?
そこから僕は、改めて考えるようになりました。そもそも、髪質改善って何なんやろう?
「髪質改善をしていました」だけでは、僕にも分かりません
初回のカウンセリングで、「髪質改善をしていました」と聞くことがあります。でも実は、それだけでは僕にも何をしていたのか分かりません。
トリートメントだったのか。ストレートに近い施術だったのか。どんな薬剤を使っていたのか。アイロンなどで熱を入れていたのか。どれくらいの頻度でしていたのか。その間にカラーや縮毛矯正、パーマをしていたのか。自宅では、どんなホームケアを使っていたのか。アイロンは毎日使っていたのか。何℃で使っていたのか。しっかり伸ばしていたのか、軽く通す程度だったのか。
初回のカウンセリングで、できるだけお聞きしています。それでも、分からないことだらけです。
同じ「髪質改善」という名前でも、実際に行われていることまで同じとは限りません。だから、「髪質改善をしていたから傷んだ」と決めることもできません。反対に、「トリートメントだから髪には負担がない」と、名前だけで決めることもできないと僕は思っています。
大切なのは、メニューの名前ではなく、その髪に、実際に何が起きているのか。僕は、まずそこを見るようにしています。
— 初回来店時の髪(2025年7月)—

2025年7月、初めて来られたお客様
一人のお客様の話をします。
2025年7月に、初めて来店してくださいました。その日は、ご自身でアイロンをしてから来店されていました。
それでも髪を見てみると、僕には気になるところがありました。もともと髪が細く、切れ毛とパサつきがかなり多かったんです。
初めて髪を見たとき、正直に思いました。
「一回では難しいやろうな」
だから最初にお伝えしました。すぐに綺麗になるとは言えないこと。少しずつ髪を見ながらやっていくしかないこと。
それでも、そのお客様は毎月通い続けてくださいました。
毎月一度、頭皮改善Bコースで髪を確認しながら施術を続けてきました。
髪質・頭皮改善Bコース
初回カウンセリング/美髪メンテナンスカット/カラー/髪質・頭皮改善ヘアエステ(12工程)
初回 11,800円(税込)|約3時間30分
通常 21,800円(税込)|約2時間30分
※初回料金は、初めてご来店の方の料金です。初回の施術時間にはカウンセリングを含みます。髪の長さや状態、施術内容によって時間が前後する場合があります。
カラーは、高濃度美容液カラー・香草カラー・ヘアマニキュアから、そのときの髪や頭皮の状態などを確認しながら選んでいます。どのカラーを選んでも料金は同じです。
毎月、その日の髪を見る。前回からどう変わったのかを見る。家ではどうだったのかを聞く。そうしながら、髪を見続けてきました。
一回綺麗にすることより、次に来られたときの髪を見る
施術した日に髪が綺麗になる。もちろん、それは嬉しいです。でも僕は、それだけで「これで良くなりました」とは決めないようにしています。
家で乾かしたときはどうだったのか。朝の支度はどうだったのか。雨の日はどうだったのか。アイロンは何℃で、どこに使っているのか。そして、次に来られたときの髪がどうなっているのか。そこを見ます。
このお客様も、毎月一度の頭皮改善Bコースで髪を見続けました。少しずつ状態が変わってきた。切れ毛やパサつきの見え方も変わってきた。以前とは、来店されたときの髪が違ってきました。
そして、お客様から「もう十分綺麗になったよ」と言っていただいたことがあります。嬉しかったです。でも僕は、
「申し訳ないんですが、聞いていないです(笑)」
と返しました。僕の中では、まだ途中だったからです。
お客様が満足してくださることと、僕が髪を見て「まだ変わると思う」と感じることは、少し違うのかもしれません。僕が見ているのは、その日の仕上がりだけではありません。次の日の朝。次回来店されたとき。そして半年後、一年後の髪です。
— 初回来店時と継続来店中の経過 —

そして、「過去一ボサボサです」とLINEが来ました
髪を見続けて約1年。ある日のご来店前に、お客様からLINEが届きました。
「髪のボリュームはイイ感じで毛先の痛みもないのですが、連日の雨続きで髪が過去一ボサボサです(笑)」
オイルの量やアイロンの温度も調整してみたけれど、あまり変わらなかったそうです。
これを読んで、また僕は「なんで?」と思いました。というより、このときは、かなり焦りました。
前回した施術が原因なのか?今までやってきた施術が間違っていたのか?まず、自分の施術を疑いました。
でも、お客様のLINEには「ボリュームはイイ感じ」「毛先の痛みもない」とも書かれています。それなのに、過去一ボサボサ。LINEだけでは分かりません。だから、その日の髪を実際に見ることにしました。
— 来店前にいただいたLINE —

実際に髪を見て、気づいたことがありました
その日の髪を見て、以前とは違うところがありました。根元側です。
一年近く髪を見続ける中で、頭皮から伸びてきた約12cmほどの部分に、以前とは違う髪の厚みやボリューム感があると僕は感じていました。
ここで、もう一つ気づいたことがあります。お客様のアイロンの使い方です。
以前は、毛先を中心にアイロンを入れれば収まっていました。だから、ご自宅でも毛先を中心にアイロンをしていた。でも、そのときの髪は同じではありませんでした。
毛先だけにアイロンを入れても収まらない。根元側からアイロンを入れないと、全体が収まりにくくなっていたんです。
— 「過去一ボサボサ」とLINEをいただいた日の来店時 —

「まとまらなくなった=悪くなった」とは限らなかった
これは僕にとって、すごく興味深い出来事でした。
「過去一ボサボサです」と聞いたとき、僕は最初、自分の施術に何か問題があったのではないかと考えました。でも、実際に髪を見て、これまでの記録と比べてみると、初回来店時と同じ髪を、同じように扱っているわけではありませんでした。
以前は毛先にアイロンを入れるだけでよかった。今は、根元側からアイロンを入れる必要がある。つまり、髪の状態が変わったことで、以前は合っていた扱い方が合わなくなっていた。少なくとも、このお客様の髪を継続して見てきた僕には、そう見えました。
だから、「まとまらなくなった」という結果だけを見て「髪が悪くなった」と決めることもできない。同じ人でも、ずっと同じ髪ではない。これは、一回のBefore・Afterだけを見ていたら気づかなかったことだと思います。
では、何が髪を変えたのか
では、何が髪を変えたのか。
ここは、僕にもまだ全部は分かりません。
このお客様は、毎月一度、頭皮改善Bコースを続けてこられました。その間には、カットやカラー、髪質・頭皮改善ヘアエステだけではなく、ご自宅での髪の扱い方やアイロンの使い方など、いろいろな要素があります。
だから、一つの施術だけを取り出して、「これが理由です」とは言えません。
ただ、一年近く毎月髪を見てきた中で、頭皮から伸びてきた約12cmほどの部分に、以前とは違う厚みやボリューム感が出てきたと、僕は感じていました。
これは原因を証明するものではありません。毎月、そのお客様の髪を見てきた中で、僕が観察してきた変化です。
だからKAZUでは、「髪質改善」を一つの方法に決めていません
だからKAZUでは、「髪質改善」を一つの方法に決めていません。
メニュー名に髪を合わせるのではなく、今の髪を見て、そのときに必要な方法を考える。僕は、その方が大切だと思っています。
今回のお客様は、毎月一度、頭皮改善Bコースで髪を見続けています。
以前、高濃度美容液カラーから香草カラーへ変更したお客様についても、そのときの髪を見ながら方法を変えています。
→ 高濃度美容液カラーから香草カラーへ変更したお客様の経過を見る
一方、別のお客様では、2〜3か月に一度、髪質・頭皮改善Dコースを続けながら、髪だけではなく頭皮まで一緒に見ています。
髪質・頭皮改善Dコース
初回カウンセリング/美髪メンテナンスカット/カラー/髪質・頭皮改善ヘアエステ(12工程)/髪質・頭皮改善ヘッドスパ
初回 16,800円(税込)|約3時間30分
通常 23,600円(税込)|約3時間
※初回料金は、初めてご来店の方の料金です。初回の施術時間にはカウンセリングを含みます。髪の長さや状態、施術内容によって時間が前後する場合があります。
→ 雨の日なのに、思っていたより髪が収まっていた。Dコースで髪と頭皮を一緒に見ている理由
来店周期も、選んでいるコースも違います。でも、僕が見ているところは同じです。
その日の仕上がりだけではなく、次に来られたときの髪まで見る。髪が変われば、また考える。必要なら方法も変える。そうやって髪を見続けています。
— 施術中に髪の状態を確認している様子 —

髪質改善を否定したいわけではありません
この記事で、「髪質改善は悪い」「トリートメントをすると髪が傷む」と言いたいわけではありません。僕自身も、髪を綺麗にするためにトリートメントやさまざまな技術を使っています。
ただ、実際のお客様の髪を見ていると、「髪質改善だから髪にいい」「トリートメントだから傷まない」と、名前だけで考えていいのかな?と思うようになりました。
反対に、切れ毛やパサつきがあるからといって、過去に受けた髪質改善だけを原因にすることもできません。
だから、名前ではなく、髪を見る。一回だけではなく、その次も見る。髪が変わったら、方法も変える。僕は、その方が大切だと思っています。
「本当のことを教えてもらえなかった」
このお客様から、以前こんな話を聞きました。
以前通っていた美容師さんと偶然会ったそうです。そのとき、「独立したので、また来てくださいね」と言われた。でも、お客様は戻りませんでした。
理由を聞くと、髪が傷んでいたこと以上に、
「本当のことを教えてもらえなかった」
と感じていたそうです。
その話を聞いて、僕も考えさせられました。髪を綺麗にすることだけが、美容師の仕事ではないのかもしれません。
一回では難しいなら、一回では難しいと伝える。まだ分からないなら、分からないと伝える。良くなっているところも、まだ気になるところも、ちゃんと伝える。それも美容師の仕事だと思っています。
僕にとって「髪質改善」って何なんやろう
今の僕にとって髪質改善は、何か一つのトリートメントをすることではありません。その日にツヤツヤに仕上げることだけでもありません。
今の髪を見る。頭皮を見る。これまでの履歴を聞く。必要な方法を考える。施術する。家でどうだったのかを聞く。そして、次に来られたときの髪を、もう一度見る。
髪が変われば、やり方も変える。一回では分からないから、また見る。
以前、AIを使う中でこの考え方に改めて気づいたことを、別の記事にも書きました。
→ 一回では完成しない。だから、次を見る|AIを使って気づいた、髪の仕事との共通点
髪質改善って何?
20年以上美容師をしていますが、
僕もまだ、その答えを一つに決めていません。
ただ、髪を綺麗にするためにしているのに、なんで?目の前の髪を見て、そう感じたときに、メニューの名前だけで答えを決めないこと。
その人の髪を見て、家でどうだったのかを聞いて、次の髪も見て、必要ならやり方を変えること。
今回のお客様も、最初は切れ毛やパサつきが気になっていました。毎月一度、頭皮改善Bコースで見続けていると、今度は、「以前は毛先だけでよかったアイロンが、なぜ根元から必要になったんだろう?」という新しい「なんで?」が出てきました。
一つ分かったら終わりではなく、髪が変われば、また新しい疑問が出てくる。だから、また見る。
今の僕は、そこまで含めて「髪質改善」なんじゃないかと思っています。そしてこれからも、目の前のお客様の髪を見ながら、この「なんで?」を考え続けたいと思っています。
髪や頭皮について気になることがあれば、
LINEからお気軽にご相談ください。
現在の状態を見ながら、無理のない方法を一緒に考えます。
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