◉ はじめに
年齢とともに、髪のうねりやパサつき、広がりが気になってきませんか?
髪の構造はえんぴつと似ており、「芯(コルテックス)」「木(メデュラ)」「表面の膜(キューティクル)」で成り立っています。
しかし、日本人の髪は欧米人に比べて芯が少なく、ダメージを受けやすい特徴があります。
欧米人が細い髪でも艶やかな状態を保てるのに対し、日本人は薬剤に敏感で、髪にパサつきやうねりが出やすいのです。
ヘアケアの習慣も髪質や頭皮に影響を与えています。
欧米ではシャンプーを毎日行わず、湯洗い(湯シャン)だけで済ませる方も多いですが、日本では毎日のシャンプーが一般的です。
シャンプーには界面活性剤(硫酸系)やアミノ酸系成分が含まれており、過剰な使用は髪や頭皮に負担をかけやすく、ダメージや乾燥を引き起こすことがあります。
髪質改善には、シャンプーの頻度や成分を見直し、頭皮や髪に優しい方法を取り入れることも重要です。
食生活の変化も髪質に影響を与えています。
かつてはお米や魚を中心とした和食で育っていた日本人の髪は、太くて硬い人が多い傾向にありました。
しかし、現代では欧米型の食生活が一般化し、髪が細くなり、色素が薄くなる人も増えています。
こうした背景からも、髪質改善には食事やケア方法の見直しが欠かせません。
◉ 髪質改善が必要な髪の特徴とその原因
・パサつき・広がりの原因
髪がパサついたり広がりやすくなる原因は、主に水分不足やキューティクルの剥がれによるものです。
紫外線やドライヤーの熱ダメージ、強いシャンプーなどでキューティクルが傷つくと、水分が保持できなくなり、髪が乾燥して広がりやすくなります。
保湿力のあるシャンプーやトリートメント、髪の負担をかけないヘアケア剤を使い、ドライヤーの使い方を工夫することが髪質改善に効果的です。
・うねり・クセ毛の原因
うねりやクセ毛は、遺伝的要因のほか、年齢ともに髪の老化やダメージによる変化が原因となる場合もあります。
髪内部の水分バランスが乱れると、髪の成長が均一に進まず、うねりが生じやすくなります。
水分を保持するヘアケアアイテムや髪のの活用が、髪のうねり改善に役立ちます。
・切れ毛の原因
切れ毛は、髪のもろさが増し、外的な刺激に耐えきれずに途中で折れてしまうことが原因です。
切れ毛は熱や化学薬品によるダメージ、過度の摩擦、キューティクルの剥がれや髪を括る(縛る)事が主な原因であり、乾燥やタンパク質不足もこれを助長します。
保湿やタンパク質を補うトリートメントや髪の強度を与えるヘアケア剤を使用し、摩擦を減らす柔らかいタオルやブラシを選ぶことで防止が可能です。
・ダメージの蓄積による髪質の悪化
頻繁なカラーリングやパーマ、特に縮毛矯正、ブリーチなどの強力な薬剤は、髪内部の構造を破壊し、髪の強度を下げます。
これにより髪が硬くなり、毛先のパサつきと光沢や滑らかさが失われます。
髪質改善には、ダメージを抑えたケアカラーやサロントリートメントの定期的な実施が効果的です。
・ヘアサイクルの乱れと薄毛の原因
髪は「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルを繰り返していますが、このサイクルが乱れると薄毛や抜け毛が増える原因になります。
ヘアサイクルの乱れは、ストレス、加齢、ホルモンバランスの変化、栄養不足などが要因です。
通常の成長期が短縮されると、髪が十分に育たずに細くなり、最終的に抜けやすくなります。
薄毛対策としては、血行を促進する頭皮マッサージや、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。
◉ 髪の健康を支える栄養素
・ビタミンB群(特にビタミンB7=ビオチンやB12など)
ビタミンB群は髪の成長に必要な栄養素で、頭皮の血行を促進し、髪を作る細胞を活性化します。髪の健康には欠かせないビタミンで、特にビオチンが豊富に含まれる卵やナッツ類、ビタミンB12が豊富な肉類・魚介類が効果的です。
・ビタミンD
ビタミンDは、髪の成長を促進する役割があり、髪の発育サイクル(ヘアサイクル)を整える働きをサポートします。不足すると脱毛症のリスクが高まることも知られています。ビタミンDは魚(特にサケやサバ)、キノコ類、牛乳などから摂取できます。また、日光を浴びることで体内生成が促されるため、適度な日光浴もおすすめです。
・亜鉛
亜鉛は髪の成長や強度を維持するために重要なミネラルです。髪の主成分であるケラチンの合成を助け、脱毛防止にも効果が期待できます。特に亜鉛を多く含む食材としては、牡蠣や肉類、ナッツ類があります。
・ケルセチン
ケルセチンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用により頭皮の老化を防ぎ、血行を促進して髪の健康を保ちます。特にタマネギ、リンゴ、ブロッコリーなどの野菜や果物に多く含まれており、日常的に取り入れやすい成分です。
これらの栄養素を意識して摂取することで、髪や頭皮の健康を内側からサポートし、健やかな髪質改善が期待できます。しかし、忙しい生活や食事のバランスにより、毎日十分に摂取するのが難しいと感じる場合もあります。そんな時は、サプリメントでの補給もおすすめです。
特にビタミンB群や亜鉛、ビタミンDなどは髪や頭皮に影響を与えやすい栄養素なので、サプリメントで効率よく摂取することで、不足を補いながら髪の健康をサポートできます。
サプリメントを利用する際は、製品の品質や成分表示を確認し、必要量を守って使用することも大切です。サプリメントを日々の習慣に取り入れることで、より効果的な髪質改善に繋がります。
◉ まとめ
⚪︎年齢とともに髪に変化が生じる原因
加齢とともに髪のうねりやパサつきが増す理由として、髪の構造や日本人特有の髪質、生活習慣が関係しています。髪の「芯(コルテックス)」が細く、ダメージを受けやすい日本人の髪質は、毎日のシャンプーや薬剤に敏感であるため、髪質改善には適切なヘアケアや成分選びが重要です。
⚪︎ 髪のトラブルと原因
・パサつき・広がり:紫外線や熱ダメージ、シャンプーによるキューティクルの損傷が原因。
・うねり・クセ毛:遺伝や年齢による髪の老化、水分バランスの乱れが原因。
・切れ毛:化学ダメージや摩擦、キューティクル剥がれが影響。
・ダメージの蓄積:カラーやパーマなどの薬剤が髪の構造を破壊する。
・薄毛の進行:ヘアサイクルの乱れによる薄毛は、加齢や栄養不足が影響。
⚪︎ 髪の健康を支える栄養素
髪質改善には、ビタミンB群、ビタミンD、亜鉛、ケルセチンなど、髪と頭皮に必要な栄養素を意識的に摂取することが効果的です。これらは日常の食生活で摂取することが可能ですが、生活が忙しい場合にはサプリメントの利用も選択肢に含まれます。
◉ 髪質改善への実践ポイント
日常の食事改善や、シャンプーの見直し、適切なヘアケア用品の選択が、髪の健康を維持するポイントです。毛髪や頭皮に優しい成分を選び、栄養補給を心がけることで、内外からのアプローチで理想的な髪質改善を目指せます。
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