1. 酸性ストレートの基本:酸熱トリートメントとは?
酸性ストレートとは、「グリオキシル酸」「レブリン酸」などの酸性成分と熱の力を組み合わせて、髪のゆがみや広がりを一時的に整えるケアメニューです。
一般的な「表面をコーティングするだけのトリートメント」と違い、髪の内部にアプローチし、構造を一時的に安定化させるのが特徴です。
2. 科学的メカニズムとpHの働き
酸性ストレートの要となるのは、pH3〜4の弱酸性環境+熱処理です。
📌 施術のメカニズム:
⚪︎ グリオキシル酸などが毛髪内部に浸透
⚪︎ アイロン熱により新たな架橋構造(イミン結合)が発生
⚪︎ 髪内部の歪みが補正され、まとまり・ツヤ・柔らかさを実現
エビデンス補足:
「グリオキシル酸」は厚生労働省の化粧品成分にも登録されており、欧米でも“酸熱系ケラチントリートメント”として流通しています。
3. 実際の効果と持続性
✅ 湿気に強く、まとまりが続く
✅ キューティクルが整い、ツヤ感が出る
✅ 手触りの滑らかさが向上
※ただし、持続効果は2週間~1.5ヶ月が目安。定着には限界があり、髪質によって効果の感じ方には個人差があります。
4. メリット|こんな方におすすめ
✔︎ 軽いうねり・広がりをおさえたい方
✔︎ 縮毛矯正ほど真っ直ぐにしたくない方
✔︎ 湿気や乾燥に左右されない髪が理想の方
✔︎ ナチュラルな仕上がりが好きな方
5. 注意点|現場で実感するデメリット
❌ ハリ・コシの喪失
→ 特に半年〜1年かけて繰り返すと、髪の芯(内部構造)が抜けてうねり・パサつきが強くなることも。
❌ 髪質によっては逆効果
→ 猫っ毛・細毛・加齢毛には、収斂作用が強すぎてパサつき・乾燥・硬化のリスクあり。
❌ 定着力が弱い
→ 一時的な変化にとどまることが多く、2〜3週間で戻ることも。
❌ 繰り返しで硬化
→ グリオキシル酸・レブリン酸などの熱反応成分は、回数を重ねるほどに硬くなり、カラーの入りも悪くなることが。
6. 髪の構造から見る酸性トリートメントの限界
髪は「鉛筆のような構造」と考えてください。
外側(キューティクル)は鉛筆の木、中の芯(コルテックス)が髪のハリ・コシの核です。
酸性ストレートは木の部分だけを整えるケアであり、芯まで届く補強ではありません。
これを繰り返すと、木が薄くなり芯がむき出しに。
結果的に細く・弱く・パサつきやすい髪になってしまうリスクがあります。
7. 【当サロンの対応】酸性系だけに頼らないケア設計
KAZU Hair Atelier&Rebornでは、
「酸性系=ツヤ・手触りの補正」だけでなく、髪の芯から整える補強ケアとの併用を重視しています。髪の状態・履歴・質感目標に応じて、酸性系だけに偏らず、必要な場合は微還元ケアや内部補強型の髪質改善トリートメントを併用しています。
▶ 【髪質改善トリートメントとは?】芯から整える内部補修ケアの全貌
▶ 【微還元トリートメントの仕組みと柔らかさ・自然さの両立法】
🧴 使用成分例(髪の状態に応じてカスタマイズ)
⚪︎ 活性ケラチン・PPT・C GIGA PLEX・ジマレイン酸(内部補修)
⚪︎ セラミド・グリセリン・ヒマシ油・スクワラン(保湿・柔軟)
⚪︎ 低分子シリコン・セラック・タンニン(表面コントロール)
💡 単発の手触り改善ではなく、1年後も美しく扱いやすい髪を育てるための設計を行っています。
一時的な手触りだけでなく、半年・1年先の髪質改善を目指した施術を提案しています。
8. まとめ|酸性トリートメントは万能ではない
🔹 一時的な仕上がりには優れるが、髪質改善の「核」にはなりにくい
🔹 髪質・ダメージ履歴を見極めて、微還元・補修設計との併用が最も安全かつ効果的
🔹 サロンだからこそできるダメージ予測と対処設計が、あなたの髪を守ります
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